AquaVoice vs Typeless 徹底比較|音声入力ソフトはどっちを選ぶべき?

AI音声入力ソフトとして注目を集めるAquaVoiceとTypeless。

どちらも「話すだけで整った文章になる」次世代のディクテーションツールですが、得意なことや向いている人はかなり違います。

本記事では、両ソフトの機能・料金・使い勝手を比較表つきで徹底解説し、あなたに合った1本を選ぶお手伝いをします。

目次

そもそもAI音声入力ソフトとは?

AI音声入力ソフトとは、マイクに向かって話した言葉をAIがリアルタイムでテキストに変換してくれるツールのことです。

「音声入力なら、iPhoneやMacにも標準で付いているけど?」と思うかもしれません。たしかにOSの標準機能でも音声入力は可能です。しかし、標準の音声入力は「話した言葉をそのまま文字にする」だけなので、「えーと」「あの」といったフィラーワード(つなぎ言葉)もそのまま入ってしまいますし、文法の誤りも自分で直す必要があります。

AquaVoiceやTypelessのようなAI音声入力ソフトは、ここが大きく違います。話した内容をAIが理解し、フィラーワードを取り除き、文法を修正し、さらには文章の構造まで整えてくれるのです。つまり、「話すだけで、タイピングしたかのような整った文章が出来上がる」というのが、AI音声入力ソフトの最大の魅力です。

人間が話す速度はタイピングの3〜4倍と言われています。AI音声入力ソフトをうまく活用すれば、メール・チャット・ドキュメント作成といった日常の文章作成が飛躍的に効率化できるでしょう。

AquaVoiceとTypelessの比較表

AquaVoiceとTypelessの主な違いを一覧にまとめました。

詳しい解説はこの後の各セクションで行いますので、まずは全体像をつかんでください。

比較項目AquaVoiceTypeless
対応OS(PC)Mac、WindowsMac、Windows、Webブラウザ
スマホアプリなし(PC専用)あり(iOS・Android対応)
対応言語数49言語100言語以上
音声処理方式クラウド処理(独自モデル Avalon)クラウド処理(LLM活用)+ オフライン対応あり
応答速度最速450ms(Instant Mode)、850ms(Streaming Mode)約1〜2秒
AI自動編集文法修正・文章整形・リアルタイム変換フィラーワード除去・文法修正・文章整形・言い直し処理
コンテキスト認識画面・アプリの内容を認識し精度向上(Deep Context)使用中のアプリに応じてトーンや書式を自動調整
カスタム辞書あり(専門用語・人名・ブランド名を登録可能)あり(使うほど学習して精度向上)
カスタム指示自然言語でスタイル指定が可能なし(現状未対応)
開発者向け機能Cursor/Windsurfでのファイルタグ付け対応特になし
翻訳機能なし(言語自動検出のみ)あり(話した言語を別の言語に即時翻訳)
プライバシーサーバーにデータ保存なし、履歴はローカルゼロデータ保持ポリシー、音声はオンデバイス処理後即破棄
無料プラン1,000語まで週4,000語(月約16,000語)
有料プラン名ProPro
月払い料金$10/月$30/月
年払い料金$8/月(年額 $96)$12/月(年額 $144)
セッション制限特になし6分のセッション上限あり
認識精度AISpeak ベンチマークで97.3%具体的な公表値なし(AI編集で補完)
運営元YC W24採択(Harvard出身チーム)Stanford / StartX出身(創業者 Huang Song)

※ 料金は2026年3月時点の情報です。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。

AquaVoiceの特徴

AquaVoiceは「速度」と「精度」に徹底的にこだわったPC向けの音声入力ソフトです。

Y Combinatorの2024年冬バッチに採択されたスタートアップが開発しており、特にエンジニアやライターなど、PCで大量のテキストを扱う人に支持されています。

圧倒的な応答速度

AquaVoiceの最大の武器は、そのスピードです。Instant Modeでは話し終えてからわずか450ミリ秒でテキストが挿入されます。これは体感として「ほぼ一瞬」と言えるレベルです。

通常のStreaming Modeでも850ミリ秒程度で、いずれにしてもストレスを感じることはほとんどありません。音声入力ソフトにおいて「話してからテキストが出るまでの待ち時間」は使い心地を大きく左右するポイントなので、この速度は大きなアドバンテージです。

画面の内容を読み取る「Deep Context」

AquaVoiceには「Deep Context」という独自機能があります。これは、現在開いているアプリや画面の内容をAIが読み取り、音声認識の精度を高める仕組みです。

たとえば、コードエディタでプログラミングをしているときは技術用語を正しく認識しやすくなり、メールアプリを開いているときはビジネス文書にふさわしい表現に整えてくれます。使っている状況を理解したうえで変換してくれるため、修正の手間が大幅に減ります。

カスタム辞書とカスタム指示で自分好みに

AquaVoiceでは、最大800件のカスタム辞書を登録できます。自分がよく使う専門用語、人名、ブランド名、社内用語などを登録しておけば、認識精度が飛躍的に向上します。

さらに特徴的なのが「カスタム指示」機能です。たとえば「Slackではすべて小文字で書いて」「箇条書きの末尾にピリオドを付けないで」といった指示を自然言語で設定できます。自分の書き方のクセやルールをAIに教えられるため、出力されるテキストが最初から自分のスタイルに合ったものになります。

開発者との相性が抜群

AquaVoiceは、AIコードエディタであるCursorやWindsurfとの連携機能を備えています。音声でファイル名を言及すると自動でタグ付けしてくれるため、コーディング中にキーボードから手を離さずにAIへの指示を出せます。

独自の音声認識モデル「Avalon」は、「GraphQLエンドポイント」「npm install」「OAuth2トークン」といった技術用語の認識に特に優れており、プログラマーやテクニカルライターにとっては心強い存在です。

Typelessの特徴

Typelessは「どこでも、誰でも使える」ことを重視したAI音声入力ソフトです。

Stanford大学出身の創業者が率いるチームが開発しており、PCだけでなくスマートフォンでも快適に使える点が大きな魅力です。

スマホでもPCでも使えるクロスプラットフォーム対応

Typelessが他の音声入力ソフトと一線を画すのは、その対応プラットフォームの広さです。Mac、Windows、iOS、Android、さらにはWebブラウザにも対応しています。

特にスマホ対応は大きなポイントです。AquaVoiceをはじめ、多くのAI音声入力ソフトはPC専用ですが、TypelessならiPhoneやAndroidスマホでも同じ品質の音声入力を利用できます。移動中にスマホからメッセージを返信したい場面や、外出先でメモを取りたい場面でも活躍してくれます。

Androidでは標準キーボードの代わりとしてTypelessを設定でき、どのアプリでもマイクボタンをタップするだけで音声入力が使えます。

話すだけで翻訳できる即時翻訳機能

Typelessのユニークな機能のひとつが、リアルタイム翻訳です。たとえば日本語で話した内容を、そのまま英語のテキストとして出力することができます。

多言語でやり取りするビジネスパーソンにとって、これは非常に便利な機能です。海外のクライアントへのメール作成や、英語でのチャット返信が、母国語で話すだけで完了します。対応言語は100以上で、言語の自動検出にも対応しているため、途中で言語が切り替わっても問題ありません。

フィラーワード除去と言い直し処理のAI編集

Typelessは、AI編集の「おせっかいさ」がちょうど良い塩梅です。「えーと」「あのー」といったフィラーワードを自動で除去するのはもちろん、話の途中で「やっぱり違う」と言い直した場合にも、最終的な意図だけをきれいに残してくれます。

たとえば「火曜日に──いや、水曜日の14時にミーティングを移動してください」と話すと、「ミーティングを水曜日の14時に移動してください」とだけ出力されます。話すときの自然なためらいや訂正を吸収してくれるので、「話すように書く」体験がとても自然です。

無料プランが圧倒的に充実

Typelessの無料プランは、週4,000語、月に換算すると約16,000語まで利用できます。これはAquaVoiceの無料枠(1,000語)と比べると圧倒的に多く、ライトな使い方であれば無料のままでも十分実用的です。

さらに、新規登録時には30日間のPro無料トライアルが付いてくるため、有料機能もじっくり試せます。「音声入力ソフトを初めて使うので、まずはお金をかけずに体験してみたい」という方にとって、最もハードルの低い選択肢と言えるでしょう。

料金プランを比較する

無料プランの違い

両ソフトとも無料プランがありますが、その内容には大きな差があります。

AquaVoiceの無料プランは1,000語までで、カスタム辞書も5件のみ。正直なところ「お試し」の域を出ません。本格的に使うには有料プランへの移行が前提です。

一方のTypelessは、週4,000語(月約16,000語)が無料で使えます。日常のメールやチャットの返信に使う程度であれば、無料プランのままで十分まかなえるボリュームです。

有料プラン(Pro)の違い

有料プランの料金は、支払い方法によって印象が変わります。

月払いの場合: AquaVoiceが$10/月、Typelessが$30/月。AquaVoiceの方が3分の1の価格で、圧倒的に安いです。

年払いの場合: AquaVoiceが$8/月(年額$96)、Typelessが$12/月(年額$144)。年額ベースではAquaVoiceの方が約33%安い計算になります。

Typelessは年払いにすると月額が$30から$12に下がるため、長期利用するなら年払いが断然お得です。一方のAquaVoiceは月払いでも$10と手頃なので、まずは月単位で試したい場合にもコスト面の負担が少なくて済みます。

なお、Typelessには6分間のセッション上限がある点にも注意が必要です。長い文章を一気にディクテーションしたい場合は、途中で区切る必要があります。AquaVoiceにはこうしたセッション制限がないため、長時間の連続利用にはAquaVoiceの方が向いています。

こんな人にはAquaVoiceがおすすめ

AquaVoiceは、以下のような方に特におすすめです。

  • PCで大量のテキストを書く人: メール、ドキュメント、ブログ記事など、日常的にPCでたくさん文章を書く方は、AquaVoiceの速度と精度の恩恵を最も受けられます。
  • プログラマー・エンジニア: CursorやWindsurfとの連携、技術用語に強い独自モデルAvalonなど、開発者向けの機能が充実しています。コードのコメントやドキュメント、AIへの指示出しに活躍します。
  • 自分好みに細かくカスタマイズしたい人: カスタム辞書800件、自然言語によるカスタム指示など、自分の使い方に合わせた調整がしやすい設計です。
  • コストを抑えたい人: 年払い$96(月$8相当)は、この手のAI音声入力ソフトの中ではかなり手頃な部類です。月払いでも$10なので気軽に始められます。

こんな人にはTypelessがおすすめ

Typelessは、以下のような方に特におすすめです。

  • スマホでも音声入力を使いたい人: iOS・Android対応のスマホアプリがあるのはTypelessの大きな強みです。外出先でのメッセージ返信やメモ取りにも使えます。
  • 複数言語を使う人・翻訳が必要な人: 100言語以上に対応し、リアルタイム翻訳機能も搭載。母国語で話して外国語のテキストを生成できるのは、Typelessならではの機能です。
  • まずは無料でしっかり試したい人: 週4,000語の無料枠は業界でもトップクラスの太っ腹さ。30日間のProトライアルも付いてくるので、じっくり試してから課金を判断できます。
  • PCもスマホもWebもまたいで使いたい人: Mac、Windows、iOS、Android、Webブラウザすべてに対応しているため、デバイスを選ばずどこでも同じ体験ができます。

まとめ:まずは無料プランで試してみよう

AquaVoiceとTypelessは、どちらも優れたAI音声入力ソフトですが、方向性が異なります。

AquaVoiceは「PCでの速度・精度・カスタマイズ性」に強みがあり、特にエンジニアやライターなど、PCで集中的にテキストを書く人に向いています。

Typelessは「対応プラットフォームの広さ・翻訳機能・無料枠の充実」が魅力で、スマホでも使いたい人や、多言語対応が必要な人に向いています。

どちらのソフトも無料プランが用意されているので、迷ったらまずは両方を試してみるのが一番です。実際に自分の声で話してみると、認識精度やAI編集の仕上がり、操作感の違いが体感でわかります。自分のワークフローにしっくりくる方を選んでみてください。

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